弁護士から突然の手紙

弁護士からの手紙

ある日、甲に手紙が届く。封を開けると、事情を書いた手紙が2枚、相続関係図が1枚、財産目録が1枚、そして、同意書、同意書の見本、委任状、返信用封筒が入っていた。

相続関係図には、総勢27人の氏名・生年月日・死亡年月日等が書かれている。この中のほとんどが聞き覚えのない名前ばかり。亡くなった人すら全く覚えがない。

それもそのはず、小さい頃に別れた母の弟が被相続人だったから。しかも、その弟は幼い時に養子に出ているのだ。

両親の離婚後、母とは一度も会っていない。母についていった実の弟とももちろん会っていない。

家系図を見ると、母は再婚し、弟は新しい父親と養子縁組をしている。現在は嫁さんもいるようだ。

亡くなってから2年経過

この被相続人(「A」としよう)が死亡したのは、2年も前の事だ。手紙には、Aの妻と子はすでに相続放棄をしているので、兄弟姉妹が相続人となったと書かれている。

(養子に行った先の養親も、産みの親も亡くなっているという事。)

母の父(甲の祖父)は、前妻との子が7人、後妻の子が5人いて、Aを含め12人兄弟となる。兄弟姉妹の相続では、Aより先に亡くなっている場合、兄弟姉妹の子が代襲相続人となるが、A以外の11人の内、A死亡時の生存者はわずか4人だった。母はその4人の内の1人だ。

負債が8,000万円!?

財産目録を見ると、負債の額に驚いた。手形貸付と書かれているので、何か事業でもやっていたのだろうか。

手紙には、相続放棄の手続きをお勧めしますので、その場合には、相続の事実を知って(この手紙を読んで)から3ヵ月以内に手続きをする必要があるため、速やかにご自身の戸籍謄本と、同意書、委任状を返送するよう書かれていた。

数次相続

母は生存しているのに、なぜ甲に?

手紙には、Aが亡くなった「後」に、母(Aの姉)が亡くなったので、母の相続人である甲が母の立場を引継ぐ事になり、連絡したとある。(母の夫・甲の弟も同じ立場になる)

A→姉(甲の母)(第1の相続)、母→甲(第2の相続) このように相続が順次発生しているので、甲は弁護士から、第1の相続についての相続放棄を勧められている。

第2の相続まで相続放棄される事ではないのでご安心を。

仮に、今回の相続放棄をする前に、甲が死んでしまったら、甲の子供たちがその立場を引継ぐ事になる。

A→姉(甲の母)(第1の相続)、母→甲(第2の相続)、甲→子(第3の相続)

よって、相続人の調査も甲の子までに及ぶ事になります。

代襲相続

Aの兄弟姉妹でA死亡時にすでに亡くなっている者も多かったが、その兄弟姉妹の中に子がいた場合は、その子(Aの甥姪)が代襲相続する事になるので、同じような手紙が彼らの元に届いている事でしょう。

ただ、兄弟姉妹の場合は、代襲するのは「兄弟姉妹の子」までとなるので注意。例えば、Aの兄がAより先に死亡していて、Aの兄には子(長男と次男)がいた場合。

A→兄(A死亡時に死亡)→長男(A死亡時に生存)※長男が代襲相続人となる。

A→兄(A死亡時に死亡)→次男(A死亡時に死亡している)※次男にたとえ子がいても、その子は代襲相続人とならない。よって、相続人調査も次男の死亡を戸籍等で確認した時点でそれ以上は調査不要です。


今回の事例は、知人に届いた手紙の内容をご本人の承諾を得て書かせて頂きました。

兄弟相続でさらに代襲相続・数次相続も含まれ、かなり複雑でややこしいです。

相続人の調査は、1つ1つ戸籍を辿っていきますので、このように時間を要する場合も実際あるんですよね。

ちなみに、この知人は弁護士からの電話で慌てて書類を送ったそうです。3ヵ月過ぎていましたが、何とかなったようです。

皆さんの元にこのような手紙が届いた際は、速やかなお手続きをお勧めいたします。

相続登記なら司法書士坂上美穂事務所にお任せ下さい。

司法書士坂上美穂事務所は、相続・遺言専門の司法書士事務所です。
個人事務所だから出来る柔軟な対応と、女性司法書士ならではのきめ細やかなサービスの提供をお約束いたします。

ぜひお気軽にお問い合わせください。